ワタリガニの専門店
ワタリガニはとても美味しく、
いつまででも食べたくなるくらい
身の美味しさは絹のように繊細でかつ濃厚です。
しかし扱いがとても難しく、
とにかくロスの多い厄介なカニなんです。
水揚げされたカニを水槽で飼っていますが、
1週間しか生きません。
毎日全体の2割近く死んでしまいます。
100匹いれば20匹近く死んでしまうということです。
死んで1時間立つと劣化して臭くなり、
身が劣化して捨てないといけなくなります。
毎日20匹死んでしまうと一週間で
何匹になるかと考えるとぞっとします。
死んで30分くらいですと蒸せば美味しく食べれます。
ですから、塩分濃度を管理し、温度や水の透明度をチェックし
一日に数回、一匹づつ生きているか確認作業が必須です。
店の定休日でもチェックしないとダメなんです。
気候の影響も大きく、雨や風が吹けば海が時化て、
漁にでてもらえません。
冬になると一ヶ月に7回くらいしか漁に
いかないので、仕入れが大変です。
1回の漁に11時間行って、
500クラムのカニが5匹捕れれば
漁師さんは万々歳なんです。
それくらい希少なカニなんです。
わたりがにひとすじ割烹松屋
濱田憲司