月別アーカイブ: 2023年4月

水茄子の割烹漬け 販売開始です。

ようやく良い感じに水茄子が
出来たと水茄子農家さんから
連絡がありました。
水茄子の宅配の始まりです!!
本当に美味しい水茄子です!!
毎年1000個以上はお送りする。
大人気の水茄子です。

しかし去年は水茄子が病気になり
農家さんも大変苦労されてました。
水なすは病害に弱く、特に褐紋病の発生が品質のよい水なすを生産する上で大きな障害となっています。
その年年により、28℃以上の気温で降雨の多い時期、梅雨の時期と重なって発生が増加します。
一旦発生すると盛夏を過ぎる頃まで被害が続くそうです。

そんな中
私たちもお客様に喜んで頂くために
農家さんにも喜んで頂くために
糠について試行錯誤した一年でした。
糠に火を入れてみたり、合わせる水を変えてみたり、
卵の殻や、ビールなども入れてみました。
塩も数種類変えてみました。
少し発酵を抑えながらも味わいがあるようになりました。
早速昨日常連さんからご注文頂きお送りした所、本日お電話があり
「去年より美味しいけど?なんか変わった?」と
嬉しいお言葉を頂きました。
わかる方はわかって頂けるんですね。
内容は企業秘密なんですが、
心を込めて漬けることです。

わたりがにを扱うという事3

わたりがにを扱うという事3

今回で3回目になりました。

わたりがにの会席の値段は高いですね。
「高い高すぎる。」というお声を
散々聞きました。
最近はあまり気にしなくなったのですが。

手間暇とリスクの塊なんですよ。
数年前から約2倍の値段に跳ね上がっています。
昔は年末年始に上がることはありましたが

今は年中上質なわたりがには
高いです。
わたりがにを扱うお店はそうないと思いますが
やはり高騰しています。

やらしい話ですが、わたりがには一番高い時で
500gの蟹が一匹〇万円するんです。
大きさもバラバラ、入荷したカニも
死んでる場合もあります。

私ももう35年くらいわたりがにを扱っていますが
わたりがにの良し悪しの区別をつけるには
甲羅をめくるか、包丁で蟹を閉めるときしか
わかりません。

外見だけではおおよそはわかっても
確信まではいかないんです。

水槽の中で〇万円札が泳いでる感じです。
3年前までは5千円札だったのですが。

上質なわたりがにも天気や時化の影響を
受けやすく、仕入れが本当に大変です。
水槽の蟹が無くなったので
蟹を仕入れるという風にはいきません。
ある時買う、高くても買わないと
今日も予約のお客様が待っている。

大切に水槽に生かしても、毎日10匹から20匹が
弱くなるので、死ぬ前に蒸してしまう。
その繰り返しです。

蒸した蟹の中でもお客様に提供できるのは
蒸した中野3割から4割なんです。
全く儲かりません。
誰もまねもしません。
・・・・・・・・・・・・・・。
そこが一番のリスクです。

手間がかかるのは、
昔はほぼ大阪湾産でありましたが
最近では大阪湾だけでは賄えないので
上質なわたりがにが獲れる産地のものを
自分が現地に行ったり、担当者さんに
見本を頂いたり、常に話をしながら
私が最終的に判断しています。

そのわたりがには
水槽でも1週間くらいしか生きていませんので
死んでしまうと、処分しないといけません。
身が酸化し腐敗するので臭くて使えません。
勿体ないですし、本当に辛いです。

ですから、弱くなっている蟹を見つけて
蒸してしまうようにしています。
お店が営業中でも1日6回は水槽の中の
蟹をチェックしていますので
必死です。

休みの日も最低でも3回はチェックしていますの
泊りで遊びに行くのは大変難しい仕事です。

かに料理の中に蟹の造りがあります。
お客様の来店時間を把握してちょうど
美味しい時にお出しできるようにしています。

氷でしめるのですが、冷たすぎても
蟹の身がたんぱくに感じるので
気を付けています。

蟹の塩焼きもお客様の食べるペースを見ながら
新鮮わたりがにを水槽からだし調理しますが
身詰まりの悪い蟹や、びしゃがには
全て使えません。
勿論死んだ蟹は全く使いません。

3匹つぶして全部だめという場合も
当たり前にありますので大変です。

同じわたりがにも
極上本蟹や、真蟹、新蟹 びしゃ蟹と
ランクが付いていて味や身詰まりも
違います。
特に産地で大きく変わりますので
産地によれば全く買わないこともあります。

知らない地域やはじめての産地では
絶対に買いません。
知識のない方からも買いません。
仕方なく昔は買うことはありましたが
今ではありません。

わたりがにとは手間暇がかかり
考えられないくらいのリスクがあることが
少しでもわかって頂けたら嬉しいです。
手間暇も「コスト」なんです。

価値を感じて頂ける方にご来店して頂きたい。
その価値を共有し人と人で繋がっていたい。
そして共に楽しい人生を共に送りたいと思います。

料理の金額も賛否両論あると思いますが
私も自分のお店のコースの金額では
年に数回しか行けないですし
金額だけ見ると「高い」と思うかもしれません。
でも裏側では、お客様に満足して頂くために
手間暇をかけていることが分かると
「価値観」が変わると思いますし
特別なときには選択肢の一つとして
頭に浮かぶことは確かです。

金額はこの先も上がり続けていくだろうと
考えていますが「価値」を感じて頂くために
あきらめず、正直にまじめに頑張って
行こうと思っています。

国宝級の器もありませんし
著名な掛け軸もございません。
何処かのようなおもてなしもありませんが
単にわたりがにを愛し、お互いさまの精神で
ごまかしは一切なし!最後は人と人に
共感してくださる方が
増えることを切に願いながら、
今日もワタリガニと家族と頑張って参ります。

心よりお持ちしております。  かによろし。

わたりがにの難しさ。

先日は大阪も凄い風が吹き
桜も散ってしまったかと心配しています。

数年ぶりに蟹が大量に弱くなって
しまい、一生懸命にかにを蒸しています。
毎日20杯は弱くなってきています。

寒暖差なのか?季節的なものか?
4月に入り急に・・・・・。

最近では数年ぶりに
大量に弱くなってしまいました。

水槽も頑張ってくれていますが
気温の差が影響あるのか
少し濁り始めてきました。

今回もいつもご縁頂くお客様に
こんな時ばかりですが
連絡させて頂きます。

前向きに頑張って参ります!!
宜しくお願い致します。

割烹松屋  濱田

わたりがにを扱うという事 2

わたりがにを扱うという事。2

お世話になります。お元気ですか?
桜の花も満開で春爛漫ですね。

飲食店にとってはコロナも少しづつ
終息しこれからというときに
値上げや食材の高騰がじわじわ効いていたのが
4月で一気に倍ほど値上がっているものもあります。
本当にびっくりです。

さて、わたりがにを扱うという事ですが
わたりがにもこの3~4年で値段が
倍になってきました。

じわじわ上がるので私もとても気にしていましたが
自分の反省点も含めてえらいことになってきました。

経営が危ぶまれる段階まで来ていたことには
経営者失格ですね。

よく日本の飲食店は値段が安いと言われます。
欧米ではランチは3000円前後と聞きます。
世界では洗い場のバイトの時間給が
3000円から4000円というではないですか?
信じられません。
その代わり物価も高いので仕方がないようです。

わたりがにも蒸し蟹の商品を一匹出すのに
3匹くらい蒸してからその中から身詰まりの良いものを
1匹選んで出していきます。
そう、1匹出すのに3匹は蒸さないといけません
結構そこだけでもロスが多いんです。
勿論3匹とも良い蟹の時もありますが
そんなことは稀です(笑)

全てが蒸したり焼いたりできるわけではないのです。
料理に使えない蟹も2割以上出てきますので
精神的にも結構メンタルがやられます。
ですから、
今の値段も決して高いとは思っていません。

それがワタリガニを扱う事の難しさで
他にわたりがに専門店がない理由です。

今回もまた物価が上がり
料理代もぎりぎりのところまで
値上げは致しましたが
また上げないといけないことは
そう遠くはないと考えています。
ここ数年では「10万」のお店もたくさんできるでしょう。
10万以上の値段になるのも全然ありです。
これからの料理人を
目指す若い人たちのためにも夢のある
職業にしていくことが大切です。
もっと外に世界にプロモーションが必要ですね。
私も全くできていませんが。

私たちの時はブラックで当たりまえの時代
でしたので料理人を途中でやめる人も
少なくはなかったです。

大人である私たちが道をつけれるように
することが一つの夢であります。
実現できるよう頑張りたいと考えています。

あくまでも私の勝手な考えでございます。

頑張って参ります。

割烹松屋  濱田