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それでも、わたりがにを続ける理由。

【それでも、わたりがにを続ける理由】

──割烹松屋が“わたりがに専門”を貫く覚悟

大阪・泉佐野。
かつて、大阪湾では当たり前のように
わたりがにが獲れました。
庶民の味であり、
祝いの席には欠かせない“季節のごちそう”。
岸和田のだんじり祭りでは、
かに料理を振る舞う家も少なくなかったほど、
地元に深く根付いた“なじみの蟹”だったのです。

私たち割烹松屋も、その地に店を構えて六十一年。
家族で営み、わたりがにを主役に据え、
ひたむきに向き合ってきました。

ですが、時代は変わりました。
海の環境は大きく変わり、
良質な蟹の数は年々減り続け、
価格は10年前の倍以上になりました。
ただ、それでも一番の苦労は
「金額」ではありません。
この蟹の特異な生態、
そして扱いの難しさこそが、
他の誰も“わたりがに専門”を名乗らない、
いや、“名乗れない”理由なのです。

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生きたままでしか調理できない。
死んだ蟹は絶対に出せない。
一日五回以上の水槽チェック、
わずかな水温・
塩分の変化ですぐに弱る。
仕入れに奔走し、管理に明け暮れ、
仕込みにも神経を張り詰める。
わたりがにを一年中扱うということは、
休まる日が一日もないということ。
体力も、気力も、確実にすり減っていきます。

それでも、やめない。
それでも、やめたくない。

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わたりがに宝楽焼き

なぜなら、この蟹の持つ味は他のどんな蟹にも
替えがきかないからです。
噛んだ瞬間に広がる甘み。身に詰まった力強さ。
内子の濃厚さ、焼いた時の香ばしさ、
蒸し蟹のふくよかさ…。
誰よりも、
私たち自身が
「本当に美味しい」と
信じているからです。

そしてもう一つ。
このわたりがにの文化を、
誰かが守らなければ
消えてしまうからです。
地元の方でも
「わたりがには昔食べたきりだ」と
言う人が増えてきました。
“高い”と言われるその価格の背景にある、
手間、技術、覚悟を
知らない人も増えています。

ですが、食べることに真剣な人。
知らない世界を体験したいと思う人。
「食とは人生のご褒美」と考える人。
そんな方にこそ、
一度でいいから食べていただきたい。

わたりがには、値段で語る蟹ではありません。
これは、“物語”と“覚悟”の味なのです。

割烹松屋は、

誰もやらないことを、誰にも真似できない形で、
ただ黙々と、今日も蟹に向き合っています。

「なぜ、そんなにまでして続けるのか?」と、
たまに聞かれます。
答えはひとつ。

「この蟹の美味しさを知っているから」
それだけです。

全国でも唯一無二の“わたりがに専門店”。

ワタリガニを極めた私のクエ料理食べたくないですか?泉佐野市

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大阪泉佐野市の天然クエ鍋 くえ料理専門 美味しいクエをご提供

 【大阪・泉佐野市】幻の高級魚“天然クエ”を極めた割烹料理店

日本でも数少ない「くえ料理専門」の味を、あなたに。

――知る人ぞ知る、冬の味覚の王様「天然本クエ」。
その繊細な旨味と上品な脂を、存分に味わえるお店がここにあります。

南大阪・泉佐野市の**わたりがに専門店「割烹松屋」が、
長年の仕入れルートを活かし、
“本物の天然くえ”だけを仕入れてご提供。

長崎・千葉・和歌山の海から、
伝説のクエ漁師と信頼関係を築き、
最上質の天然本クエだけを直送。
極めた目利きで、最高の一匹を選び抜き、
至福の鍋や会席へと仕上げます。


【クエ鍋コース・会席】メニューのご紹介

🌿 天然本くえ鍋コースA …… 16,500円
やわらかくも弾力ある身と、上品な脂を堪能できる基本コース。

🌿 天然本くえ鍋コースB …… 22,000円
身だけでなく希少な部位や雑炊まで、天然くえの魅力を余すことなく。

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🌿 天然本くえ会席コース …… 16,500円
焼き物・造り・酒蒸しも楽しめる、和食職人の技が光る会席料理。

☀️ お昼限定:天然本くえ昼会席コース …… 11,000円
☀️ お昼限定:天然本くえ昼鍋コース …… 11,000円
お昼だけの特別価格で、贅沢なクエ料理をお気軽に。

※すべてご予約制・季節や入荷状況により内容が変わる場合がございます。


【通販・ふるさと納税でも】

遠方のお客様には、「割烹松屋公式通販サイト」および「泉佐野市ふるさと納税」でも天然くえ商品をご用意。
ご自宅で楽しむ“本物のクエ鍋”もぜひ一度お試しください。

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“くえ料理専門”という誇りをもって。

「誰もやらないことを、誰よりも丁寧に。」
わたりがにで名を馳せた割烹松屋が、もう一つの柱として挑む“天然本クエ料理”。

地元の方はもちろん、遠方からも「わざわざ来る価値がある」と言っていただける味を、心を込めてご用意しております。

まずは一度、特別な日に。
あるいは、心を癒す自分へのご褒美に。

幻の魚・天然クエを、泉佐野で。
ご予約はお気軽にお電話またはWEBフォームよりどうぞ。

割烹松屋
泉佐野市市場東2-10-10
072ー462ー3740

大阪万博 名古屋からお越しの常連のお客様。やっぱりこの時期はわたりがに。


◆良きご縁と、美味しいはじまり

5月に入り、気持ちの良い季節がやってきました。
今月最初のお客様は、なんと名古屋から毎年お越しくださるリピーターのご夫婦。
「松屋さんに来るついでに大阪万博にも寄ろうかと思って。これで主人にも良い言い訳になるでしょ」と、いつもの明るい笑顔で冗談を交えながら、今年も変わらぬご来店。お友達もご一緒に、お楽しみの“内子の季節”を目がけて来てくださいました。

「春に内子?」と不思議に思われる方も多い中、さすがは通のお客様。
この5月こそ、わたりがにの内子がぐんと増し、香りも旨味も極まる絶好の時期です。
「やっぱり塩焼きの内子は最高やね、ほんまに美味しいわ」と、心のこもった言葉を頂き、こちらこそ感謝でいっぱいです。

数あるお店の中から、遠方より松屋を選び、足を運んでくださるご縁。
このご縁を、私たちは何よりも大切にしていきたいと、改めて心から思いました。

そして今、松屋では“天然のくえ”も入荷しています。
このくえ、ただのくえではありません。
「わたりがにを極めた大将が、魂を込めてつくる天然くえ料理」。
実はこのクエこそ、私たちが本当に食べていただきたい逸品なんです。

とはいえ、お客様からは「松屋さんはわたりがにのお店でしょ、くえはまたの機会に」とのお声もよくいただきます。
そんな時、少し寂しそうな女将さん。
ですが、そこは流石です。すぐに笑顔でこう切り返します。
「わたりがにを極めた大将の天然くえ、食べてみたくないですか?」
その一言に、お客様もパッと笑顔に。「ほんまや、食べたいなぁ」と言ってくださる――そんな瞬間が、本当に嬉しく、励みになります。

私たち夫婦も一緒になって34年。
女将さんの機転と笑顔に、いまだに学ばされる日々です。
ありがたいご縁から始まった、幸先の良い5月。
これからも“本物の味”と“心の通う時間”を、皆様にお届けしてまいります。

どうぞ、引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。