ワタリガニ専門店
昭和39年4月に泉佐野市上町で開業しました。
当時はわたりがにの食べ方は、湯でガニが美味しく一般的でした。
ワタリガニは子供のおやつにもなったほど、良く獲れたそうです。
先代の父(濱田敏雄)が、ワタリガニを違う食べ方で美味しく食べれるように
商品化できないか、必死で考えたそうです。
「湯がいて美味しいなら、鍋にしても美味しいはず。」と
創業当時から定番の「かにちり」を思いつきました。
こぶとかつおで引いた出しで、鍋でワタリガニを炊いて
自家製のポン酢で食べる。画期的なことだったそうです。
最後の雑炊も当時は、ほかの料理屋さんも知りませんでしたから
料理屋の大将が何人も見に来たと聞いています。
年々口コミで、お客様に来ていただくようになり、特にゴルフ帰りの
お客様が多かったようです。昭和40年頃にゴルフをプレーされていることを
聞いてびっくりしたことを覚えています。
父も初めてゴルフクラブを見たときは
何をする道具なのかわからなかったそうです。
次に出来た商品は、「カニの塩焼き」です。単純に湯がいても
炊いても美味しいなら焼いても美味しいはずだと考えついたそうです。
焼くことが一番難しかったそうで、
電機メーカーさんや、ガス機のメーカーさんに
協力していただき、2~3年かかって、
ワタリガニを焼くオーブンを
作って頂いたようです。
「本当に苦労した。」と言っていました。
その後宝楽焼きや、老酒漬け、具足煮、
甲羅揚げなど時代とともに進化してゆきました。
同じものではお客様にも飽きられるので、
かに料理もそうですが、ポン酢や、土佐酢の味も
毎年少しづつ変えています。
わたりがにひとすじ割烹松屋
濱田憲司