大阪・泉佐野 ワタリガニづくし Ⅳ


生きたワタリガニの刺身

塩焼き、酒蒸し、甲羅揚げと

どれも感動の旨さだ。

 

一番の人気メニューは、塩焼きだ。

塩焼きといった簡単な料理ほど旨いもんだと

知ったかぶりをすることなかれ。

ワタリガニを塩焼きにするのは

大変だったのだ。

「先代の父が店を始めた頃は

ワタリガニは湯がいたものしかありませんでした。

お客様から「湯がいて美味しいんだから

焼いても旨いんちゃう。」と言われ

焼いてみたところ、ワタリガニは殻が軟らかいため

からは真っ黒焦げで身は生焼けに。

そこで父は、電機メーカーにワタリガニのオーブンを

作ってもらい、いい焼き加減で焼くことが出来るまで

二年以上かかったそうです。」

塩焼きの香ばしい匂いに喉がごっくっと鳴る。

腹がぐうっと鳴る ああたまらない。

ああ 気取ってなんかいられない。

ぱっと手に取り、ぱくっと食いつく。

脚には身があまりなく、

胴体の部分を食べる。

無口になり、ひたすらしゃぶりつく。

心の中では、旨いなあ、旨いなあと連呼しながら

しゃぶりつく。

綺麗なオレンジ色した部分は内子だ。

これがぷりっとしていてコクと甘味があり

なんとも旨い。

「内子のあるメスのワタリガニのほうが

好きという方が多いですね。

メスは、11月下旬から産卵前の6月くらいまで

召し上がっていただけます。」

 

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