2025年度の年末のお節料理
受け付け始まりました。
今年もそんな時期が参りました。
八寸の折に詰められた松屋のおせちを
お正月に是非食べてくださいませ。
限定30個の販売となっておりますので
宜しくお願いいします。
数の子 鮭昆布巻き 鮑旨煮 慈姑
明太大根 車海老旨煮 蛇篭蓮根
穴子八幡巻 黒豆 姫人参 はじかみ
072-462-3740
割烹松屋 おせち部まで
割烹松屋 ― 世界でただ一つの渡り蟹物語 ―
大阪・泉佐野。
関西空港からわずか10分、潮の香りが漂うこの町に、
ひっそりと灯をともす一軒の割烹がある。
看板には、ただ二文字――「松屋」。
創業は昭和三十九年。
高度成長の熱気が日本を覆う中、
初代夫婦は小さな港町で、海の恵みと向き合う店を開いた。
「食は、人をつなぐもの」
その信念を胸に、手作りのかに飯を考案した母。
銀杏と人参を入れたその彩りは、
まるで家庭のぬくもりを映したようだった。
「きれいでしょ? 食べる前に、心がほっとするように」
それが、松屋の原点。
そして今、二代目・濱田憲司は、
渡り蟹というたった一つの食材にすべてを懸けている。
一年365日、水槽の前に立つ。
蟹の呼吸を聞き、海水の温度を確かめる。
時に蟹よりも蟹らしく、命を預かる覚悟で。
その数、年間二トン。
一匹一匹を見極め、活きたまま調理し、
お客様に届けるまでの全工程を、ひとりの職人が手で行う。
誰も真似できない、誰も続けられない。
だからこそ、「日本唯一」=世界で一つの渡り蟹専門店 がここにある。
それはただの“技術”ではない。
蟹を通して、人生を語り、人を想い、
「あと何回、両親と食事ができるだろう」と問いかける店。
お客様の多くが、食事のあとにこう言う。
「ここに来ると、自分の大切な人を思い出します」
それは味ではなく、“想いの温度”を感じている証。
松屋の料理には、笑顔の数だけ物語がある。
父と子、母と娘、孫と祖父。
祝いの席、別れの席、そして日常の一食。
その一つひとつを見つめながら、
大将は今日も包丁を握る。
「本物の味とは、誰かを想う心の延長にある」
この言葉を体現するように、
松屋の料理は、派手さではなく静かな誇りでできている。
湯気の中に、漁師の汗と海の匂い。
蟹の赤には、四季と人生の色が混じる。
この一皿に、
大阪湾の海、泉州の風、そして人のぬくもりがすべて詰まっている。
世界は広い。
だが、この味、この空気、この時間を作れるのは世界で一人。
誰かのために蟹を蒸し続け、
自分の信じる道を歩み続ける職人がいる。
それが――割烹松屋。
過大評価でも構わない。
この小さな港町に、世界でただ一つの“渡り蟹の聖地”があるのだから。
「料理とは、命のバトン。
海から人へ、人から人へ。
その想いが続く限り、松屋の湯気は消えない。」— 割烹松屋 二代目 濱田憲司
In a quiet coastal town of Izumisano, just ten minutes from Kansai International Airport,
there stands a humble Japanese restaurant — Kappo Matsuya.
Founded in 1964, in the midst of Japan’s era of rapid growth,
it began as a small family-run eatery serving the blessings of the sea.
The founder’s wife created a simple yet beautiful rice dish — Kani-meshi,
mixing crab meat with ginkgo nuts and carrots.
She used to say,
“Before you taste it, let it be something that makes your heart feel warm.”
That spirit became the soul of Matsuya.
Today, her son, Chef Kenji Hamada, stands at the helm.
For over 40 years, he has devoted his life to a single ingredient — the Japanese blue crab.
Every day, he checks the water tanks,
adjusts the salinity, and listens to the breathing of the crabs.
He handles nearly two tons of live crab each year,
each one carefully selected, prepared, and cooked by his own hands.
This dedication has created something truly rare:
the only restaurant in Japan — and perhaps the world —
that serves live Japanese blue crab, 365 days a year.
But what makes Matsuya special is not only the skill.
It’s the human story behind every dish.
Guests often say after a meal:
“This place makes me think of the people I love.”
That’s because the food here carries warmth — the feeling of home, of family, of time.
At Matsuya, every dish tells a story:
a father and son sharing sake,
a daughter celebrating her parents’ anniversary,
a family remembering someone they’ve lost.
Each plate holds not just flavor, but a moment of life itself.
“True flavor is born from the heart that thinks of someone else.”
This is the philosophy that breathes through Matsuya’s kitchen.
There is no exaggeration, no decoration — only sincerity.
The steam from the pot carries the scent of the sea and the soul of the fishermen.
The red of the crab reflects both the seasons and the beauty of impermanence.
The world is vast,
but there is only one place like this.
A small restaurant by the Osaka Bay,
where a chef continues to steam crabs with devotion,
where each meal connects life from the sea to the table,
and from one heart to another.
That is Kappo Matsuya —
a quiet miracle of craftsmanship,
born from faith, love, and the will to carry tradition forward.
“Cooking is a relay of life —
from the sea, to the hands of man, to the hearts of those we cherish.
As long as that relay continues,
the steam of Matsuya will never fade.”— Chef Kenji Hamada, 2nd Generation Owner
松屋倶楽部・10月下旬号(女将便り)
こんにちは、松屋の女将でございます。
だんじりの賑わいが過ぎ、泉州の風もすっかり秋の香りになってまいりました。
今月もたくさんの方に「だんじり蟹」をお求めいただき、
「家族で囲んで笑顔になれました」「両親がとても喜んでくれました」とのお声をいただき、心から嬉しく思っております。秋が深まるこの頃、なぜか無性に食べたくなるのが“かに飯”。
炊きたての香りが広がると、季節が変わったことを実感いたします。そして今月は、皆さまへの感謝を込めて、
蒸し蟹・焼き蟹を特別価格(11,000円・税込)で10月末日まで限定30匹 ご用意しております。
専門店ならではの味を、ぜひこの機会にご自宅でもお楽しみください。さらに、昨年ご好評をいただいた 「てっちり・てっさ」テイクアウト も始まりました。
・2人前 12,100円(税込)
・4人前 22,000円(税込)野菜、自家製ポン酢もお付けし、
板前歴42年の大将が一つひとつ丁寧に仕上げております。
スーパーや魚屋さんでは味わえない、職人の“技”をぜひご体験くださいませ。ご予約・お問い合わせはお電話、またはLINE(@188ubruf)にご登録のうえお気軽にどうぞ。
072-462-3747季節の移ろいとともに、松屋の味で少しでも笑顔の時間をお届けできたら幸いです。
どうぞあたたかくお過ごしくださいませ。編集後記(女将より)
大将は、毎日欠かさず水槽の蟹を見ています。
どんなに忙しくても、一匹ずつ状態を確かめ、
「今日も元気でいてくれてる」と小さく呟いています。渡り蟹と向き合い続けて60年。
松屋は、特別な日だけでなく、
“日常の中にある幸せな食卓”を大切にしたいと思っています。「また食べたい」よりも、
「また話したい」と思っていただけるお店でありたい——
それが私たちの願いです。季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ
割烹松屋 女将
大人のランチ60 ― 誰かの笑顔のために
泉佐野は、古くから海と陸の恵みに支えられてきた土地です。大阪湾のわたりがにや鱧、近くの畑で採れる水茄子や玉ねぎ。ここには、派手さはなくとも、暮らしに根ざした「ほんまもんの食材」が息づいています。
私の父母がこの地で店を始めたのは1964年。戦後の混乱も落ち着き、人々が少しずつ豊かさを求めるようになった時代でした。父は漁師や市場の方と真摯に向き合い、母は家庭の味を大切にしながら工夫を凝らし、松屋の味を築きました。以来60年余り、この町の人々と共に歩んできたのが、割烹松屋の歴史です。
その流れを引き継ぎ、今こうして「大人のランチ60」を始めることにしました。
60歳という節目は、ただ年齢を重ねただけではありません。子育ても一段落し、仕事も折り返しを迎え、ふと「あとどれくらい元気で食べられるのだろう」と考える世代。だからこそ、誤魔化しのない、地元の食材で作った料理で、心と体を元気にしていただきたいのです。
地元の野菜や泉州の魚、私たちが信頼する漁師や農家から届く食材を、丁寧に料理してお出しします。
30人の方に試食をしていただき、温かい励ましの声をいただいたことが、この企画の背中を押してくれました。しばらくは一日10人限定。お子様はご遠慮いただきますが、おひとり様は大歓迎です。病気がちで外出をためらう方も、少しだけ勇気を出して来てみてください。ここで食べる一皿が、笑顔や元気のきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
そして、地元に帰って来られた方も、どうぞ気軽に立ち寄ってください。
ここは、ただ食べる場所ではなく、人と人とが絆を結び、温かく関わり合える場にしたいのです。
私は料理人として、そして泉佐野の料理店として、あと10年は全力で頑張りたい。お客様からいただく「おいしかった」の一言が、私にとって最大のモチベーションです。
「大人のランチ60」は、世代を超えて大切なものを受け継ぎながら、これからを生きる力を分かち合う食卓です。
ほんまもんの食材で、笑顔と元気を。
そして、最後に残るのは、人と人の絆。
どうぞ、この輪に加わってください。
大人のランチ 6,600円税込み
12時に開始いたします。
14時までとなっていますので
お遅れのないようにしてください。
要予約
泉州の秋は、だんじり祭りの太鼓の響きとともに始まります。
岸和田を皮切りに泉佐野や周辺の町が熱気に包まれるこの時期
実は「カニ祭り」とも呼ばれてきたことをご存知でしょうか
理由は、だんじりの季節とワタリガニの旬がぴたりと重なるからです。
昔から泉州の家庭では、
祭りのあとの食卓に赤々と茹で
上がったワタリガニが並びました。
雄ガニは身がぎっしり詰まり、甘みも濃く、
まさに秋のハレの日にふさわしいごちそう。

祭りで汗を流した男衆も、支えた家族も、
カニを囲みながら一緒に盃を交わし、
その年の出来事を語り合ったのです。
この習わしは単なる味覚の記憶ではありません。
だんじりとワタリガニは「地域の絆」を象徴するもの。
鐘と太鼓の音を聞けば「もうカニの季節やな」と感じる
それは泉州人のDNAに刻まれた暮らしのリズムです。
割烹松屋でも、この季節にしか味わえない雄ガニを
丁寧に仕立て、旬の献立としてお届けしています。
だんじりの熱気と共に味わうワタリガニは、
きっと皆さまの心と記憶に残るはずです。
皆さま、こんにちは。
久しぶりの“ワクワクメール”となります。
季節は巡り、気がつけば朝夕の風に秋を
感じるようになりました。
夏の暑さにバテ気味だった体も、
少しずつ落ち着きを取り戻し、
食欲が戻ってくるこの頃。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
松屋では毎日、仕入れから水槽の管理、
厨房での調理と、慌ただしいながらも
充実した日々を過ごしています。
生きたカニを扱うというのは、
気を抜けば一瞬で台無しになる
緊張感の連続ですが、
それでも「おいしかった」と
言ってくださるお客様の笑顔に出会うと、
すべての苦労が報われます。
長年続けてきて思うのは、
この仕事は体力や技術以上に
“気持ち”が支えているということ。
日ごろの移ろいの中で、
私自身も料理人として、
人として少しずつ磨かれている気がします。
■ 泉州の秋、オスガニの秋
泉州の秋といえば、やはり“だんじり祭り”。
岸和田を皮切りに、泉佐野をはじめ
周りの町も祭り一色になります。
勇壮なだんじりの姿、太鼓や鐘の音。
子どもの頃からその熱気の中で
育ってきた私にとって、
祭りは季節を知らせる合図のようなものです。
そして、祭りと共に欠かせないのが
「ワタリガニ」。
昔からこの時期、
岸和田祭りは別名「カニ祭り」と
呼ばれるほど、祭りとカニは切っても
切れない関係でした。祭りの夜、
家族で囲む食卓に赤々と
茹で上がったカニが並ぶ。
泉州人にとって、
それはDNAに刻まれた秋の風景なのです。
今まさに旬を迎えているのは、
身のつまりが良い「オスガニ」。
甘みと旨みが力強く広がる、
カニ好きにはたまらない季節の恵みです。
どうしても、この美味しさを皆さまに
味わっていただきたい
――そんな想いから、
今年も秋限定の特別会席をご用意しました。
■ 共に松屋 旬の松屋会席「秋コース」
お一人様 24,200円 税込み
本日より10月31日まで、
期間限定でお楽しみいただけます。
秋の八寸
店主おまかせ旬のお造り
30種類の有機野菜とピクルス
自家製ドレッシングとジュレ添え
天然クエと秋野菜のあんかけ
松屋名物 宝楽焼き
わたりがに塩焼き
かに飯
季節のフルーツ
そして今回は特別に、
銘々の「かに飯」を
人数分プレゼントいたします。
一人ひとりが“自分だけの
蟹飯”を楽しめるのは、
この秋だけの趣向です。
なお、一日二組限定での
ご案内ですので、
どうぞお早めにご予約ください。
■ 編集後記
久しぶりにこうして文章を書きながら、
改めて「食と季節のつながり」を
感じています。
祭りがあればカニを食べ、
家族が集まればカニを食べる
泉州の人々にとってそれは昔からの
当たり前の風景でした。
私が厨房に立ち続ける理由のひとつは、
この「当たり前」を
未来へ残していきたいからかもしれません。
毎日の仕事は体力勝負ですが、
気づけばその積み重ねが松屋の
歴史をつくり、
皆さまの思い出の一部になっている。そ
う考えると不思議と力が湧いてきます。
お祭りの熱気に包まれるこの秋、
ぜひ旬のオスガニと共に、
松屋でしか味わえないひとときを
お過ごしください。
それでは、また次の便りで。
読んでいただき
ありがとうございました。
割烹松屋
濱田憲司
「高くて美味い」は当たり前。
けれど、目には見えない“本物の価値”──
素材の命を無駄にせず、手間を惜しまない料理。
それを届けることこそが、料理人としての使命。
「誰でもできることなら、松屋がやる意味はない。」
泉佐野の地で、60年以上。
地元の旬を、地元の人に伝える。
わたりがにや水茄子、天然本クエ──
この土地の“味と人”をつなぐことが、松屋の役目。
「食は公共のもの。地元の人にこそ誇れる味を。」
素材に真剣に向き合うのと同じように、
目の前のお客様一人ひとりとも、誠実に向き合う。
料理の技術より、
「ここに来てよかった」と思わせる“心配り”を大切にしている。
「料理は“手”より“心”でつくるもの。」
お祝いも、法事も、ご褒美の夜も──
どれもお客様の人生の一部。
料理屋はその時間に“彩り”を添える存在。
肩ひじ張らず、それでいて格のある空間をつくりたい。
「日常にこそ、特別な時間が必要なんです。」
一代では見えない景色がある。
父母の代からの暖簾を守り、進化させていく。
技術も、味も、信頼も、一朝一夕では築けない。
「いつもの松屋」と言ってもらえることが、最高の褒め言葉。
「60年続けたのは偶然ではない。“続ける覚悟”があったから。」
わたりがにが減っていく今、
新たに天然クエという「もうひとつの本物」に挑む。
お客様に“これが松屋の味だ”と胸を張れるよう、
常に自らの可能性を広げ続ける。
「守るために、変わり続ける。」
「手間を惜しまないのは、お客様の人生にふさわしい時間を届けたいから。」
それが割烹松屋の大将・濱田憲司の信念。