皆さま、こんにちは。
久しぶりの“ワクワクメール”となります。
季節は巡り、気がつけば朝夕の風に秋を
感じるようになりました。
夏の暑さにバテ気味だった体も、
少しずつ落ち着きを取り戻し、
食欲が戻ってくるこの頃。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
松屋では毎日、仕入れから水槽の管理、
厨房での調理と、慌ただしいながらも
充実した日々を過ごしています。
生きたカニを扱うというのは、
気を抜けば一瞬で台無しになる
緊張感の連続ですが、
それでも「おいしかった」と
言ってくださるお客様の笑顔に出会うと、
すべての苦労が報われます。
長年続けてきて思うのは、
この仕事は体力や技術以上に
“気持ち”が支えているということ。
日ごろの移ろいの中で、
私自身も料理人として、
人として少しずつ磨かれている気がします。
■ 泉州の秋、オスガニの秋
泉州の秋といえば、やはり“だんじり祭り”。
岸和田を皮切りに、泉佐野をはじめ
周りの町も祭り一色になります。
勇壮なだんじりの姿、太鼓や鐘の音。
子どもの頃からその熱気の中で
育ってきた私にとって、
祭りは季節を知らせる合図のようなものです。
そして、祭りと共に欠かせないのが
「ワタリガニ」。
昔からこの時期、
岸和田祭りは別名「カニ祭り」と
呼ばれるほど、祭りとカニは切っても
切れない関係でした。祭りの夜、
家族で囲む食卓に赤々と
茹で上がったカニが並ぶ。
泉州人にとって、
それはDNAに刻まれた秋の風景なのです。
今まさに旬を迎えているのは、
身のつまりが良い「オスガニ」。
甘みと旨みが力強く広がる、
カニ好きにはたまらない季節の恵みです。
どうしても、この美味しさを皆さまに
味わっていただきたい
――そんな想いから、
今年も秋限定の特別会席をご用意しました。
■ 共に松屋 旬の松屋会席「秋コース」
お一人様 24,200円 税込み
本日より10月31日まで、
期間限定でお楽しみいただけます。
秋の八寸
店主おまかせ旬のお造り
30種類の有機野菜とピクルス
自家製ドレッシングとジュレ添え
天然クエと秋野菜のあんかけ
松屋名物 宝楽焼き
わたりがに塩焼き
かに飯
季節のフルーツ
そして今回は特別に、
銘々の「かに飯」を
人数分プレゼントいたします。
一人ひとりが“自分だけの
蟹飯”を楽しめるのは、
この秋だけの趣向です。
なお、一日二組限定での
ご案内ですので、
どうぞお早めにご予約ください。
■ 編集後記
久しぶりにこうして文章を書きながら、
改めて「食と季節のつながり」を
感じています。
祭りがあればカニを食べ、
家族が集まればカニを食べる
泉州の人々にとってそれは昔からの
当たり前の風景でした。
私が厨房に立ち続ける理由のひとつは、
この「当たり前」を
未来へ残していきたいからかもしれません。
毎日の仕事は体力勝負ですが、
気づけばその積み重ねが松屋の
歴史をつくり、
皆さまの思い出の一部になっている。そ
う考えると不思議と力が湧いてきます。
お祭りの熱気に包まれるこの秋、
ぜひ旬のオスガニと共に、
松屋でしか味わえないひとときを
お過ごしください。
それでは、また次の便りで。
読んでいただき
ありがとうございました。
割烹松屋
濱田憲司