二代目店主の『わたりがにクレイジー』


みなさん、こんにちは。松屋の濱田です。
少しコロナウイルスも落ち着いてきた兆しがありますが、いかがお過ごしでしょうか?
そろそろ大好きな旅行に出かけたいなとウズウズしている今日この頃です。
さて、本日の献立は以下の3本です。
・GO to EATについて
・コロナが導いた原点回帰
・いずれは全国のわたりがにが集まるお店に
本日もわたりがにクレイジー、どうぞよろしくお願いいたします。

<GO to EAT、松屋でも適用できます>
GO to Travelに続いて、GO to EATが始まりましたね。
一方で、来年の1月までのようですが、
予算がなくなり次第終了すると聞いていますので、
早めにお使いになることをお勧めします。
GOTO EATのご利用は、
松屋の場合はグルメサイト「一休.com」からリクエスト予約が可能です。

よろしければ、この機会にご利用下さいませ!
一休.com 割烹松屋ページ(https://restaurant.ikyu.com/109342/


<コロナが導いた原点回帰>
話は変わりますが、今年もあと残り3カ月となりました。
早すぎますね。
今年は本当に変化の年でした。
たくさんの変化がありましたが、
直近の変化と言えば、現在お店の外壁をきれいにして頂いています。

長くかかった工事も、あと数日で終わりそうです。
工事中は皆様にはご迷惑をおかけしました。ご協力をありがとうございました。

新しい外壁の色は、白色(ホワイト)にしてみました!
実際に一度皆さまにもご自身の目でご覧いただきたいのですが、
私のお気に入りの漆喰調で、とてもいい感じなんです。

実は数年前から大阪に移転をしようと計画していたので、
今のお店の補修の話なんて考えたこともなかったのですが、
今回のコロナの影響で自分の居場所を考えさせられるいい機会となりました。
・・・・とりあえず大阪移転の話は自分の中で封印いたします(笑)・・・・

でも、正直、今のお店サイズがとにかく大箱なので、今の時代にはそぐわないと感じていました。
この工事に等にかけるお金を移転費用にかけたかったのですが、
コロナの影響がこんなすごい事になるとは予想もしないことでしたので
生まれ育った泉佐野で体力が尽きるまで頑張ろうと決意した次第です?

しかしまぁ、この歳になれば色々な変化が起こり、色々な経験をしてきたつもりですが、
こんなコロナウイルス感染症のようなことは、誰も予想もしていないし、
思いもよらない変化と経験でした。
加えて、色々な業界にも影響を及ぼしています。
私が耳にするだけで、
結婚式、集客イベント、コンサート、学生さんの就職など、
もちろんそれ以外にも影響が出ていると聞いています。

また、我々、飲食店の中でも、
インバウンド向けや、団体客中心のお店は、特に打撃を受けているようです。
あの緊急事態宣言が発令された時に、
飲食店としてどうしていたら一番良かったのか検証も必要ですね。
多くの飲食店の業績が悪いようで、危機的な状態です。
依存する怖さ、当たり前だと思う事の心の危険さ、
昔のバブルと似ているように思えて仕方がないです。

「自分のことは自分で守れ」。
昔、先代に私が言われたことが今になって痛感し、実感しています。
そして「人と人とのつながり」、
「地域との繋がり」がいかに大切か。
今回のコロナを経て、皆が価値観を共有・共感できる人と繋がっていたいと、
年齢や職業、地域や地位は関係なく思ったのではないでしょうか?
本当にそう思います。

私もコロナでいろんなことを学びました。
これから自分が何にお役に立てるのか、残りの人生を注ぎながら、
今までにない充実したものにしたいと思います。
最後は良い人生だったと思いたいです。
そんなことを考えさせられる出来事があった今年の上半期でした。
心の底では、今後を考える機会となり、ある意味”よかった”とも思っています。


<いずれは、全国のわたりがにが集まるお店に・・・>
ワタリガニ料理の難しさに仕入れの問題があります。
天候や水温などの環境に大変左右されるワタリガニです。
ですから、大阪湾の蟹も毎年減少しています。
ついに、全国から上質なワタリガニを仕入れも視野に入れないといけなくなってきました。
今でも9割は大阪湾産です。
泉佐野漁港と尾崎漁港から仕入れさせて頂いています。
が、実際のところ、20年以上前からワタリガニは減少しています。

いついなくなるか分かりませんので、その素材”ひとすじ”を語るお店としては、大変です。
かにを自分で育てて大きくすることもできないし、
自分たちで船で漁に行くわけではありません。
こればかりは運任せです。
強風や、大雨が降ると漁には行けません。
ここ最近のように頻繁に台風が日本に上陸しますと、本当に大変です。

まだ記憶に新しい2年前の大阪を直撃した巨大台風の時は、
思い出すだけでゾッとする、200匹以上のかにが死んでしまいました。
わたりがには活きたままの状態でないと料理には使えないので、仕入れと保管には大変苦労します。
ちなみに、何もなくても、毎日水槽にいるかにの2割は死んでしまいます。
ですので、かにが大漁の日にたくさん仕入れても、
毎日2割ほど確実に死んでしまうので、仕入れのバランスと水槽の状況には毎日非常に気を使います。
正直、仕入れと管理だけで頭がいっぱいになるので、気持ちは病気になりそうです。。。
お客様の予約が夜に入っているのに、
当日の朝、食材のかにがない時も日常茶飯事です。
夕方までに仕入れがないとジエンドです。。。
「なかったらどうしよう?」。。
不安でいっぱいで、夜も寝れないくらいなものです。
そこで、最近では、休日を利用して、全国のわたりがにの産地を数年前から探し、
出向いては現地の方々と意見交換をしています。
「ここのかには、うちで使えるかどうか」、
「ここの品は少し小さいサイズが多いな」、
さらには、
”いかに鮮度を保ったまま上質なワタリガニを仕入れさせて頂けるか”を試行錯誤しています。
ちなみに、最近「ここのかには上質だな~」と思った品は、愛媛県産と山口県産です。
いずれも、大阪湾産に引きを取らない上質なかにがいるんです。
また、富山の新湊にも「越のわたりがに」というブランドのついたワタリガニがありますが、
こちらも大変上質な蟹でした。

そこで、これから先は、その時の旬の”一番上質なかに”がいる産地から取り寄せて、
皆様に全国のかにを美味しく食べていただこうと思っています。
ありがたいことに、各産地の漁業関係者の方々とは数年来の交流をさせて頂き、
独自のネットワークを構築することができました。
私としては、いつまでも上質なワタリガニが日本全国で獲れるよう、祈るばかりです。
そんなことを考えている毎日なので、最近眠れません(笑)


<最後に・・・旬のわたりがにの状況>
今年の夏は台風が少なかったのですが、秋になるにつれ、台風が増えてきました。
台風がくると海中は洗濯機の中のようにかき混ざり、乱されますので、
少し漁獲量が落ち気味になります。
10月以降、ありがたいことに通信販売の注文や店内飲食のご予約を多くいただいております。
しかしながら、その週のかにの仕入れ状況や予約状況によっては、
お受けできない可能性もございますので、
お早めにお電話でご予約をお願いいたします。
また、まだしばらくオスがにがメインですが、
もう少し水温が落ち出しますと、メスがにが増え出してきそうな気配です。