ワタリガニの標準和名は、ガザミといいます。
ガザミとはハサミのことで二つありますが、
一つは大きくもう一つは小さめのハサミです。
大きいほうのハサミで敵と戦い、
小さいほうのハサミはものを
食べるときに使われています。
第5脚が舟の櫂のようになっており、
これを使って泳ぎながらかなり
遠くまで移動することからワタリガニと
いう呼び名がつけられこの名のほうが
よく知られています。
また月夜に群れをなして泳ぐため「月夜ガニ」
と呼ばれたり外見の形から
「菱ガニ」とも呼ばれたりしています。
第2脚から第4脚までは普通のカニと
同じ脚ですが第5脚はひれのように
扁平になっていて遊泳脚となって
いてすばやく泳ぐことができます。
ワタリガニの甲は横長の菱形で、
甲の周りには棘がついています。
第9棘は最も長くて側方へ飛び出しています。
オスは青みの強い色で腹部の幅が狭く
腹蓋も狭いのに対して、メスのほうは
腹部の幅が広く腹蓋も左右に広く丸みも
あるので、オスメスの区別は容易です。
カニは、敵から身を守るために自ら脚を
切り落として逃げる習性があります。
これを自切といいます。
ワタリガニは、カニの中でも自切しやすいカニです。
また活きがいいものほど自切しますので、
輸送中は自切しないようにカニを
ゴムなどでしばっておきます。
割烹松屋 濱田