和食を次世代へ・・・。
和食がユネスコ無形文化遺産になりました。
和食の特徴として次の4つがあります。
1 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
2 健康的な食生活を支える栄養バランス
3 自然の美しさや季節の移ろいの表現
4 正月などの年中行事との密接な関わり
日本は南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。
「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
遺産として残そうという動きが起こった時点で、和食という食文化を日本人が忘れ始めているのではないかとも考えられると思います。
食料自給率の低下、食料廃棄率が世界一、気候変動による季節間の温度差の低下、年中行事への興味の希薄化等、日本が古代から培ってきた食文化を我々現代人が捨ててしまってきているという危機感から登録に踏み切ったのではないかとも言われています。
「日本のワタリガニの味も伝え残していきたい。」
私も地元の大切な食材を料理のメインとして使わせて頂いています。地元の食材をせめて、子供たちには伝え食べて、味を記憶して欲しいと願います。
ワタリガニとは弥生時代から食されており、昔から庶民に愛されてきたカニです。元禄16年(1703年)から始り「だん約300年の歴史と伝統を誇る「岸和田だんじり祭」では、ワタリガニを祭りのご馳走として大切にされたそうです。ちなみにだんじり祭りの別名として「カニ祭り」とも言われているのにも、地域との関わりが根強いことが証明されます。
松屋では、和食の素材を生かした調理技法でワタリガニを
提供しています。
ワタリガニの代表的な調理法は、お造り、塩焼き
酒蒸し、かに飯などがあります。
お造りは地元で水揚げされたワタリガニを素早く調理し
氷でしめたシンプルな技法ですが、生きていないとお造りにできないので、地元ならではの新鮮さが優位になります。
塩焼きは、元々海の塩気がありますが、精査された「あらじお」を振り、焼いた香ばしさと、酷を引き出します。
酒蒸しは、蒸す前から、かにに酒を降り寝かすことで
いっそうプリプリ感がでて、カニのエキスが凝縮したスープが出来上がり、かに好きの方を唸らせます。
お店で地元の長老が家族の人たちにカニの美味しく上手に食べれるほぐし方を伝授されています。とても時間が緩やに過ぎる光景です。
そういう家庭団欒こそが、地域とワタリガニにまつわる出来事です。
ワタリガニの美味しさや、食べ方、ワタリガニに関するお話などを子供さんや、お孫さんに是非、教えて、伝えて、残して頂きたいとお願いいたします
そしてワタリガニの「なつかしさ」「良い思い出」
「その時代の匂い」を味と一緒に脳に焼き付けて人生を
過ごして頂ければ嬉しく思います。
日本の食文化が大切に次世代へと繋がっていくことを
心より願います。
この度は私の地元の食文化への思いの丈を書き綴りまして
誠にご迷惑おかけしました。少しでも賛同して頂ければ
こんなに嬉しいことはありません。
ありがとうございました。
割烹松屋 濱田憲司