わたりがに専門店で来年60周年。

◎来年60周年にあたり
来年で両親から始まった割烹松屋も
60周年を迎えます。
私に代わってから30年がたちました。
バブル崩壊からコロナまで色々と苦境も
ありながらなんとか知恵を出しながら
頑張って参りました。
やはりバブル崩壊の時が一番
しんどかったように思います。

しかし昨今、食材や調味料、
電気やガスに至るまですべて値上げです。
それ以上に上質なわたりがにの
値段は倍近くにもなりました。
希少な特性の為、お金をいくら出しても、
手に入らないことも多くあります。
蟹が少なくなっていることと、
天候などの自然が相手になります。
今年のゴールデンウイーク前は時化で
10日間蟹が入ってきませんでした。
そうなるとまた値段が高騰します。
そうなると私たちも値段をあげざるを得ません。
蟹のコースの予約が入って忙しくても
儲からないんです。
このままでは存続も危ぶまれます。
どう考えれば良いのか初めて途方にくれました。
今年に入って、ずっとそのことばかりを考えています。

ただ単に食材を仕入れて、
調味料やガスを使って調理したものを
ゲストに出して終わりではありません。

それまでの段取りや仕込み、
部屋のしつらいや、
香りやお花まで
大層なことはできませんが、
来店されるゲストの事を色々と想像しながら
喜んで頂くために、
一期一会を感じながら毎日
いくつもの作業をしていきます。
ですから、目に見えない作業なんですが、
そこを手間暇を加えることが
料理でも準備でも当たり前の
作業なんです。
といってもゲストの方にそれは関係の
ない事ですから隠し味のようなものです。

私たちが常日頃から考えていることは
確かに美味しい蟹を楽しみに食べに
来て頂いています
ご家族や友人とお祝い事やお誕生日
として来店して頂いていますが
私は「人とひと」「つながり」
だと思っています。
楽しもうとする気持ちと
喜んで頂こうと思う気持ちの
行ったり来たりだと考えいます。
お客様とお話をすることで
関係を深めたいと思います。
そして食事をして楽しかったことが
思い出となり
それを胸に刻んで明日からの
仕事や趣味にも頑張れるんだと考えています。
勝手な想いを書かせて頂きましたが
少しでも共感できることがございましたら
是非又、松屋で食事をしに来て下さい。
そして元気になってください。
お会いできることを楽しみにしています。

コースの金額はこれからも上がり
続けるのだと思います。
でも私たちはゲストのお顔だけは見えている
店作りを考えていますのでよろしくお願いします。
割烹松屋 濱田

ご予約のお願い。

ご予約のお願いがございます。
今、ゴールデンウイーク中でございます。
かにづくしコースのご予約を頂きますが
この連休中にご利用の方は約ひと月前
からのご予約を頂いております。

この2、3日ご予約のお電話を頂きますが
せっかくですが、お受けできません。
私どもの扱うわたりがには上質で
身詰まりまりが良く、仕入れもかなり
難しく気を使っております。
特に蟹のお造りの入ったコースの
お造りに使用する
第五脚の大きい上質なわたりがには
中々確保のできるものではございません。

勝手申しますが、2週間からひと月前からのご予約
して頂きましたら幸甚に思います。

引き続きよろしくお願い致します。

割烹松屋  濱田

水茄子の割烹漬け 販売開始です。

ようやく良い感じに水茄子が
出来たと水茄子農家さんから
連絡がありました。
水茄子の宅配の始まりです!!
本当に美味しい水茄子です!!
毎年1000個以上はお送りする。
大人気の水茄子です。

しかし去年は水茄子が病気になり
農家さんも大変苦労されてました。
水なすは病害に弱く、特に褐紋病の発生が品質のよい水なすを生産する上で大きな障害となっています。
その年年により、28℃以上の気温で降雨の多い時期、梅雨の時期と重なって発生が増加します。
一旦発生すると盛夏を過ぎる頃まで被害が続くそうです。

そんな中
私たちもお客様に喜んで頂くために
農家さんにも喜んで頂くために
糠について試行錯誤した一年でした。
糠に火を入れてみたり、合わせる水を変えてみたり、
卵の殻や、ビールなども入れてみました。
塩も数種類変えてみました。
少し発酵を抑えながらも味わいがあるようになりました。
早速昨日常連さんからご注文頂きお送りした所、本日お電話があり
「去年より美味しいけど?なんか変わった?」と
嬉しいお言葉を頂きました。
わかる方はわかって頂けるんですね。
内容は企業秘密なんですが、
心を込めて漬けることです。

わたりがにを扱うという事3

わたりがにを扱うという事3

今回で3回目になりました。

わたりがにの会席の値段は高いですね。
「高い高すぎる。」というお声を
散々聞きました。
最近はあまり気にしなくなったのですが。

手間暇とリスクの塊なんですよ。
数年前から約2倍の値段に跳ね上がっています。
昔は年末年始に上がることはありましたが

今は年中上質なわたりがには
高いです。
わたりがにを扱うお店はそうないと思いますが
やはり高騰しています。

やらしい話ですが、わたりがには一番高い時で
500gの蟹が一匹〇万円するんです。
大きさもバラバラ、入荷したカニも
死んでる場合もあります。

私ももう35年くらいわたりがにを扱っていますが
わたりがにの良し悪しの区別をつけるには
甲羅をめくるか、包丁で蟹を閉めるときしか
わかりません。

外見だけではおおよそはわかっても
確信まではいかないんです。

水槽の中で〇万円札が泳いでる感じです。
3年前までは5千円札だったのですが。

上質なわたりがにも天気や時化の影響を
受けやすく、仕入れが本当に大変です。
水槽の蟹が無くなったので
蟹を仕入れるという風にはいきません。
ある時買う、高くても買わないと
今日も予約のお客様が待っている。

大切に水槽に生かしても、毎日10匹から20匹が
弱くなるので、死ぬ前に蒸してしまう。
その繰り返しです。

蒸した蟹の中でもお客様に提供できるのは
蒸した中野3割から4割なんです。
全く儲かりません。
誰もまねもしません。
・・・・・・・・・・・・・・。
そこが一番のリスクです。

手間がかかるのは、
昔はほぼ大阪湾産でありましたが
最近では大阪湾だけでは賄えないので
上質なわたりがにが獲れる産地のものを
自分が現地に行ったり、担当者さんに
見本を頂いたり、常に話をしながら
私が最終的に判断しています。

そのわたりがには
水槽でも1週間くらいしか生きていませんので
死んでしまうと、処分しないといけません。
身が酸化し腐敗するので臭くて使えません。
勿体ないですし、本当に辛いです。

ですから、弱くなっている蟹を見つけて
蒸してしまうようにしています。
お店が営業中でも1日6回は水槽の中の
蟹をチェックしていますので
必死です。

休みの日も最低でも3回はチェックしていますの
泊りで遊びに行くのは大変難しい仕事です。

かに料理の中に蟹の造りがあります。
お客様の来店時間を把握してちょうど
美味しい時にお出しできるようにしています。

氷でしめるのですが、冷たすぎても
蟹の身がたんぱくに感じるので
気を付けています。

蟹の塩焼きもお客様の食べるペースを見ながら
新鮮わたりがにを水槽からだし調理しますが
身詰まりの悪い蟹や、びしゃがには
全て使えません。
勿論死んだ蟹は全く使いません。

3匹つぶして全部だめという場合も
当たり前にありますので大変です。

同じわたりがにも
極上本蟹や、真蟹、新蟹 びしゃ蟹と
ランクが付いていて味や身詰まりも
違います。
特に産地で大きく変わりますので
産地によれば全く買わないこともあります。

知らない地域やはじめての産地では
絶対に買いません。
知識のない方からも買いません。
仕方なく昔は買うことはありましたが
今ではありません。

わたりがにとは手間暇がかかり
考えられないくらいのリスクがあることが
少しでもわかって頂けたら嬉しいです。
手間暇も「コスト」なんです。

価値を感じて頂ける方にご来店して頂きたい。
その価値を共有し人と人で繋がっていたい。
そして共に楽しい人生を共に送りたいと思います。

料理の金額も賛否両論あると思いますが
私も自分のお店のコースの金額では
年に数回しか行けないですし
金額だけ見ると「高い」と思うかもしれません。
でも裏側では、お客様に満足して頂くために
手間暇をかけていることが分かると
「価値観」が変わると思いますし
特別なときには選択肢の一つとして
頭に浮かぶことは確かです。

金額はこの先も上がり続けていくだろうと
考えていますが「価値」を感じて頂くために
あきらめず、正直にまじめに頑張って
行こうと思っています。

国宝級の器もありませんし
著名な掛け軸もございません。
何処かのようなおもてなしもありませんが
単にわたりがにを愛し、お互いさまの精神で
ごまかしは一切なし!最後は人と人に
共感してくださる方が
増えることを切に願いながら、
今日もワタリガニと家族と頑張って参ります。

心よりお持ちしております。  かによろし。

わたりがにの難しさ。

先日は大阪も凄い風が吹き
桜も散ってしまったかと心配しています。

数年ぶりに蟹が大量に弱くなって
しまい、一生懸命にかにを蒸しています。
毎日20杯は弱くなってきています。

寒暖差なのか?季節的なものか?
4月に入り急に・・・・・。

最近では数年ぶりに
大量に弱くなってしまいました。

水槽も頑張ってくれていますが
気温の差が影響あるのか
少し濁り始めてきました。

今回もいつもご縁頂くお客様に
こんな時ばかりですが
連絡させて頂きます。

前向きに頑張って参ります!!
宜しくお願い致します。

割烹松屋  濱田

わたりがにを扱うという事 2

わたりがにを扱うという事。2

お世話になります。お元気ですか?
桜の花も満開で春爛漫ですね。

飲食店にとってはコロナも少しづつ
終息しこれからというときに
値上げや食材の高騰がじわじわ効いていたのが
4月で一気に倍ほど値上がっているものもあります。
本当にびっくりです。

さて、わたりがにを扱うという事ですが
わたりがにもこの3~4年で値段が
倍になってきました。

じわじわ上がるので私もとても気にしていましたが
自分の反省点も含めてえらいことになってきました。

経営が危ぶまれる段階まで来ていたことには
経営者失格ですね。

よく日本の飲食店は値段が安いと言われます。
欧米ではランチは3000円前後と聞きます。
世界では洗い場のバイトの時間給が
3000円から4000円というではないですか?
信じられません。
その代わり物価も高いので仕方がないようです。

わたりがにも蒸し蟹の商品を一匹出すのに
3匹くらい蒸してからその中から身詰まりの良いものを
1匹選んで出していきます。
そう、1匹出すのに3匹は蒸さないといけません
結構そこだけでもロスが多いんです。
勿論3匹とも良い蟹の時もありますが
そんなことは稀です(笑)

全てが蒸したり焼いたりできるわけではないのです。
料理に使えない蟹も2割以上出てきますので
精神的にも結構メンタルがやられます。
ですから、
今の値段も決して高いとは思っていません。

それがワタリガニを扱う事の難しさで
他にわたりがに専門店がない理由です。

今回もまた物価が上がり
料理代もぎりぎりのところまで
値上げは致しましたが
また上げないといけないことは
そう遠くはないと考えています。
ここ数年では「10万」のお店もたくさんできるでしょう。
10万以上の値段になるのも全然ありです。
これからの料理人を
目指す若い人たちのためにも夢のある
職業にしていくことが大切です。
もっと外に世界にプロモーションが必要ですね。
私も全くできていませんが。

私たちの時はブラックで当たりまえの時代
でしたので料理人を途中でやめる人も
少なくはなかったです。

大人である私たちが道をつけれるように
することが一つの夢であります。
実現できるよう頑張りたいと考えています。

あくまでも私の勝手な考えでございます。

頑張って参ります。

割烹松屋  濱田

 

 

 

 

 

 

昼限定 「昼膳」 本日発売開始。

皆さんお疲れ様です。

本日はお昼限定の
「昼膳」開始のお知らせです。

わたりがにの塩焼きがはいった「昼膳」

お昼に美味しいものを
ご家族やご両親を誘って
楽しく食べて頂きたいという
想いで考えました。
それとやはり健康に過ごして頂きたいという事から
みそ汁、白ご飯、糠漬けもご用意しています。

「昼膳」・・・・・・・16,500円

旬の魚とサラダ仕立て、わたりがに塩焼き、旬の魚と野菜のあんかけ
みそ汁、糠漬け 白ご飯 フルーツ

要予約となっておりますので引き続きお願いします。

割烹松屋  072-462-3740

 

お待たせしました。水茄子の浅漬けが始まる。

泉佐野名産 水茄子の浅漬けの
通販が始まりました。

一年のお待たせです。
ようやく良い水茄子が出てまいりました。
農家さんに問い合わせますと
「去年より良い出来かも?」
嬉しいお言葉です。

今年もよろしくお願い致します。

通販サイトはこちらから☟
https://kappo-matsuya.shop-pro.jp/?pid=95433416

YOUTUBEではぬか漬けの様子もありますので見てください。
https://youtu.be/iiKSFPAka9E

 

 

 

タイムアウトレビュー

たった5匹の「それ」を獲るのにかかる時間は約10時間。その上、店では生きているものしか使わず、非常に繊細なため扱いが難しい。それでも2代目の大将が続けてきたのは「自分がやめれば、一つの食文化が途絶えてしまう」から。ここは日本で唯一のワタリガニ専門店「割烹 松屋」だ。

ワタリガニ=小さなカニといったイメージを持つ人が多いかもしれないが、松屋の水槽に鎮座しているのは、えりすぐられた大きなものばかり。この立派で新鮮なワタリガニを堪能するには、コースがおすすめだ。「雅コース」(3万800円、税込み)は突き出しに始まり、刺し身、「ほぐし身サラダ」「塩焼」「酒蒸し」、そして「カニ飯」に「冷し」と、その魅力を全方位から楽しむことができる。

ほぐし身サラダで使用されるのは、25種類以上もの野菜。トマトのエスプーマ、土佐酢のジュレがあしらわれた姿は色彩も豊かだ。一口食べるごとにほぐし身との新たなハーモニーが生まれ、最後まで感動が続く逸品である。

また、塩焼も必食だ。香ばしさに包まれながら、静岡県産の天然粗塩が引き出したわたりがにの濃厚な甘みに舌鼓を打つ、まさに至福の時。酒好きなら、最もだしが出る部分を追求し生み出すのに4年かかったという「カニ酒」もぜひ試したい。

伝統と革新の絶妙なバランスは、ひとえに大将のたゆまぬ努力ゆえ。「最近は20代の若いお客さんが増えてきている」というのにも深く納得だ。完全予約制なので事前の電話は忘れずに。

わたりがにを専門に扱うという事 1 

わたりがにを専門に扱うという事

わたりがにの旬はいつですか?

「わたりがにの旬はいつですか?」
「いつが一番美味しいですか」と
お客様に良く尋ねられます。

ご存知だと思いますが、
わたりがにには、オスとメスで
旬が違います。
オスは夏場
メスは年末から春です。

「一番美味しいのはいつか?」の問いには
今が一番美味しいと言います。

私はワタリガニをもう40年ほど扱っていますが
私でさえ、触っても良し悪しを判断することは
容易ではありません。

生きた上質のわたりがにを仕入れるところから
ですので、大変苦労します。

20年位前までは地元でもわたりがには
安定した値段で、上質な蟹の仕入れができましたが
いまではそれも過去の話です。

わたりがにを仕入れて水槽に入れて
も一週間くらいしか生きていませんし、
毎日1割ほど死んでしまいます。

通販やテイクアウトでは
1匹の蒸し蟹をお客様に提供するのにも
2.3匹は蒸します。
その中から良いものを
提供します。
蒸してみないとわかりませんし
良いものしか提供しません。
本当にロスが多い食材です。

それくらい、わたりがにを扱う事は
むずかしく忍耐のいる仕事です。

私はこの仕事を両親から受け継がせてもらいましたが
自分で経営してみると
しっかりした覚悟が必要です。

でも、わたりがに専門店というのは
今の所私のお店しかありません。
365日、いつ来ても活きたわたりがにがあり
わたりがに料理しかないのは
うちの強みでもあります。

今回、いろいろな食材や、調味料など
想像以上に値上げが続いています。
わたりがにを見ても昨年から
約2倍の値上がりです。

そういう事も含めて
わたりがにを扱えという事を
お話していきたいと思います。

割烹松屋  濱田