泉佐野市ふるさと納税 割烹松屋とは。


数週間前に泉佐野市のふるさと納税関係の

取材を2件受けさせていただきました。

今年から市の職員さん並びに

関係者様のおかげで「復活」する運びとなり

その流れの取材です。

市内のこだわりや、情熱のある事業所さんを

取材されているそうです。

 

≪ 割烹松屋とは ≫

創業56年を迎えた、わたりがに専門店「松屋」を

家族で営んでる濱田憲司です。

松屋は、父の濱田敏雄が1964年(昭和39年)に

泉佐野市上町で開業し、以来多くの地元の方々に

可愛がっていただきました。

2003年に二代目として長男である私が引き継ぎ、

経営についての勉強をしながら、

お店の厨房を切り盛りしてきました。

二代目として厨房に立った頃を思い出すと、

なにせ神経質なわたりがにと向き合う毎日が緊張の連続でした。

今では、365日わたりがにの事しか考えない生活が

当たり前となり、就寝前の頭の中でも

「店の生簀のカニが弱っていないかなぁ。

大丈夫かなぁ」とよぎる日々です。

が、今では、何を隠そう、このハラハラ感が心地いいんです。

父からバトンを受け継いで、17年。

現在59歳のわたりがにマニアです。

 

<仕事に当たってのこだわり(信念・理念)>

松屋はわたりがに専門店として、

冬から春にかけてはオレンジ色に輝く

内子が美味しいメスがに、

夏から秋にかけては大ぶりな甲羅と濃厚な味わいが

特徴のオスがにのお料理をご案内しています。

わたりがに専門店なので、

店の水槽で管理しているかには、常に100匹程度。

しかしながら、

水温・塩分濃度・透明度・水槽内の水の流れに対して、

どれか一つのリズムが崩れると、弱りやすくなり、

すぐに死んでしまうため、1日3回、

休みの日でも欠かさず、一匹づつかにを水槽から取り出して、

かにの鮮度を確かめます。

この作業は、すごく手間がかかるし、

慣れないと時間がものすごくかかるんですが、

このアナログな方法が、

松屋のわたりがにの旨さを支えています。

 

何を隠そう、わたりがには、死んでしまうと

身の酸化が始まり腐敗してしまうので使えないし、

冷凍してもタラバやズワイと比べて

旨みがなくなって使えないという、

本当に料理店としては使いにくい上に、

ごまかしが一切効かない食材なので、

元気のいい状態でないと鮮度を

優先したうちの料理には使えません。

死んでしまうと、全て廃棄というのが現実です。

でも、いくら水槽できっちり管理していても、

毎日、1割〜2割が死んでしまうので、

わたりがにを活かすことにとても神経を使います。

 

そして、捌きたてこそ、わたりがにの旨味を

堪能できる一瞬のチャンスなので、

毎日の鮮度チェック+捌きたてという要素が、

松屋の料理の極意です。

加えて、最高の料理でお客様に喜んでいただくためには、

食事の空間も大切だと思っていますので、

おもてなしの心ある接遇にも力を入れています。

そんな松屋には、お客様の食べるスピード、

料理やお酒の好みなど、

一人ひとりのお客様の情報を細かく書き込んだカルテが存在します。

このカルテが、お客様により居心地のいい空間へと松屋を導き出します。

 

「わたりがにがこんなに旨いなんて知らなかった」と

よく皆さんが口にされます。

わたりがに伝道師として、

一人でも多くのお客様にわたりがに料理を通じて、

幸せで温かい気持ちになっていただきたい。

私自身、まだまだ現役で、

新たな魅力を秘めたわたりがにと

共に旅を続けたいと思っています。

 

割烹松屋  濱田