唯一無二のわたりがにへの挑戦
私たちが扱う「わたりがに」は、ただの食材ではありません。 それは、私たちの体力と気力を賭けた勝負の末に得られる、かけがえのない宝物です。 わたりがには生きているからこそ、その旨味と香りが引き立ちます。 しかし、その命を保ちながら扱うことは容易ではありません。 蟹は繊細で、わずかな環境の変化にも敏感に反応します。 特にこの時期は内子をたっぷりと抱え、力を使い果たし弱ってしまうことが多い。 私たちの挑戦は、生きている間に最高の状態でお届けすること。 それはまさに「時間との勝負」です。 温度管理、湿度、空気の流れ――あらゆる要素に気を配りながら、わたりがにを見守り続ける。 手間と神経をすり減らしながらも、生きた蟹を扱うことにこだわるのは、その瞬間にしか味わえない美味しさがあるからです。 蒸し蟹に仕上げる際も、絶妙なタイミングと技術が求められます。 蟹が持つ本来の旨味を最大限に引き出すために、一匹ずつ丁寧に見極め、蒸し上げる。 わたりがにの命をいただくからこそ、その美味しさを余すことなくお届けしたい。 それが私たちの信念であり、唯一無二の価値なのです。 わたりがにと向き合う日々は、決して楽なものではありません。 体力も気力も試される。ですが、その努力が報われる瞬間があります。 それは、お客様が一口味わったときに見せる、驚きと喜びの表情です。 「こんな美味しさは初めてだ」 「この蟹の旨味は特別だ」 その言葉をいただくたびに、私たちはまた挑戦を続ける力を得ます。 わたりがにを扱うことの難しさ、その価値の高さ―― それは決して簡単に手に入るものではありません。 でもだからこそ、この蟹は特別なのです。 この時期だけの旬の美味しさを、ぜひ味わってみてください。